心不全
■心不全とは?
心不全、心不全といいますが、いったい心不全とはどのようなもの
なのか?
ちょっとイメージがわきにくいと思います。
心不全というのは、心臓の機能が低下したことをいいます。
心臓の機能とは、血液を体全体に送り出すことです。
つまり心臓は、1回拍出するごとに、だいたい70ml前後の血液
を体に送っています。
心臓は4つの部屋に分かれているのですが、もっとも重要なのは
左心室です。
左心室は最も大きくて、左心室にたまった血液が体に拍出されます。
しかし、この拍出する力が弱ってくると、拍出量が少なくなって
きます。
拍出する力というのは、心臓が収縮する力です。
この拍出する量を心拍出量といいます。
だいたい通常は1分間に5リットルくらいです。
脈、つまり心臓の収縮する回数を1分間に70回としましょう。
70回×70ml=4900ml つまり約5リットルです。
通常はこんな感じですが、
心臓の機能が弱くなって、あまり拍出できなくなったとしましょう。
そうすると
70回×50ml=3500ml となります。
だいぶ減りましたね。
このように、心臓があまり血液を送れなくなると、だんだんとどこ
かに溜まってきます。
もちろん心臓の部屋にも溜まりますが、だんだんあふれてくると
肺にたまってきます。
肺にたまるということは、肺にある血管に溜まっているということ
です。
そうするとどうなるか?
肺の血管から、肺胞(肺と血管で酸素と二酸化炭素を交換する所)
のほうへあふれていきます。
この場合、肺水腫となります。
血液は、いろいろな成分でなりたっているので、赤い、赤血球と
いわれるものは、大きいので(といっても7umくらいですが)
肺胞のほうへは行けないのですが、水が行きます。
水といっても血漿といわれるものです。
このように、心不全は、2次的にいろいろな疾患へ、合併していき
ます。
なので、心臓の機能が悪くなるということは、全身的に影響がでる
のだということを念頭に考えなくてはいけません。