肺水腫

■肺水腫

肺水腫とは、肺の肺胞といわれる、換気を行う場所、つまり酸素と

二酸化炭素を交換している場所に水(詳しくは血液中の血清)が

もれてくる現象のことです。

簡単に言うと、肺に水が入ってくる(血管から)ということです。

本来、肺には空気しかありません。

肺は空気で膨らんだりしぼんだりしています。

また肺の役割は換気です。

とり入れた空気を肺胞というレベルの小さい場所で血管のなかへ

取り込みます。

つまり、肺の最小モデルでは、肺胞→血管という酸素、二酸化炭素

の交換を行っています。

本来なら血管の中の血液は肺胞の方へはいきません。

しかし、心不全などで、心臓の働きがわるくなると、血液が

左心室にたまります。

もっとたまてくると、左心房、そして肺の血管に血液がたまってき
ます。

そうすると、血液は逃げるところがなくなり、血管内圧は高くなっ

てきます。

すると、血液中の成分の血清部分(赤血球や、白血球などの血球

部分でないところ)

が血管から肺のほうへしみ出てきます。

そうすると、そのしみでてきた血清は、肺の中にくるわけで、

換気がしにくくなります。

つまり呼吸困難になります。

あまりにも肺水腫が重症なら、人工呼吸器を使う場合もあります。

また、心不全からなる肺水腫なら、人工透析器により、水分の除去

を、すぐに行わないといけません。

肺水腫はこのように、心不全の2次的な合併症の場合が多いです。

水分除去がうまく行われれば、症状は治まり、治ります。



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