胸膜炎
■胸膜炎
胸膜炎とは、胸膜に炎症が起こることである。
胸膜とは?
胸膜とは、どこの膜かというと、
肺の周りには、肺の間に心臓、肺の下に横隔膜、肺の周りに肋骨
がある。
肺を覆っている膜を臓側胸膜という
肋骨側を胸壁といい、その胸壁を覆う膜を壁側胸膜
また心臓や横隔膜を覆う膜も壁側胸膜という
つまり、胸膜とは、
臓側胸膜と
壁側胸膜がある。
結局はすべて膜につつまれているということだが、
肺とその周りのものも膜につつまれているということだ。
そしてこの
肺側の臓側胸膜とその周りの壁側胸膜の間には、隙間がある。
この隙間を胸膜腔という。
この胸膜腔には、少量(5~10ml)の水が溜まっている。
この水を胸水という。
胸膜炎では、通常胸水を伴う。
胸膜炎とは、これらの
臓側胸膜
壁側胸膜
に起きた炎症のことをいう。
■胸膜炎の原因
胸膜炎の原因は、
・感染症(細菌、ウイルスによる感染)
・がん(肺がん、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫)
・結核
・膠原病(こうげんびょう)(リウマチ、SLE、シェーグレン症候群)
・肺血栓塞栓症
・消化器疾患
・薬剤
などがある。
がん、結核が多い。
■胸膜炎の症状
胸膜炎の症状は、
発熱、咳、胸痛
がみられる。
胸水がたまってくると、呼吸困難がでる。
■胸膜炎の治療
胸膜炎を起こしたもとの疾患(原因疾患)を
治療することが必要となる。
炎症には、抗生剤投与となる。
胸水がたくさん溜まってくると、ドレナージといって、
胸水を抜き取る手技が必要となる。