ALT(GPT)
■ALT(GPT)
ALT(GPT)とは、酵素である。
何をする酵素かというと、
Aというアミノ酸をBというアミノ酸に変換するときに
必要な酵素である。
つまり、アミノ酸A → アミノ酸B に変換するのに
このASTが必要となる。
このアミノ酸Aにあたるのが、アラニンであり、
アミノ酸Bにあたるのが、グルタミン酸である。
つまり、アラニン→グルタミン酸に変換する
のがALT(GPT)の役割である。
ALT(GPT)と似ているのがAST(GOT)で
アスパラギン酸→グルタミン酸に変換する
のが、AST(GOT)である。
ALTは、
alanine aminotransferase
(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の略である。
また
GPTとも言われ、
GPTは
gulutamic pyruvic transaminase
(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)の略である。
ALT=GPT であり同じものである。
●ALT(GPT)の正常値は 7~45U/l
半減期は、約41時間
どこに存在するかというと
肝臓 2500
腎臓 1100
心臓 400
筋肉 300
膵臓 125
がん細胞 125
というような体内分布になっている。
肝臓の細胞に多いことがわかる。
■ALT(GPT)の異常値がでる疾患
肝細胞内に多く存在するので、肝細胞が壊死したりするときに
増加する。
以下の疾患でALT(GPT)は上昇する。
●1000U/l以上
・急性肝炎
・ウイルス性肝炎
・劇症肝炎
・薬剤性肝炎
●500U/l以上(高度上昇)
・急性肝炎
・急性アルコール性肝炎
・薬剤性肝炎
・総胆管結石
●100U/l以上(中度上昇)
・慢性肝炎
・急性アルコール性肝炎
・薬剤性肝炎
・脂肪肝
・急性肝炎
・閉塞性肝炎
●100U/l以下(軽度上昇)
・慢性肝炎
・肝硬変
・肝細胞がん
・脂肪肝
・閉塞性肝炎
・薬剤性肝炎
■ALT(GPT)が上昇する原因
ALT(GPT)は肝細胞内にある酵素であり、
肝細胞の壊死、破壊によって血中に逸脱する。
ALT(GPT)は肝臓に多いので、
肝細胞に関する疾患が考えられる。