AST(GOT)
■AST(GOT)
ASTとは、酵素である。
何をする酵素かというと、
Aというアミノ酸をBというアミノ酸に変換するときに
必要な酵素である。
つまり、アミノ酸A → アミノ酸B に変換するのに
このASTが必要となる。
このアミノ酸Aにあたるのが、アスパラギン酸であり、
アミノ酸Bにあたるのが、グルタミン酸である。
つまり、アスパラギン酸→グルタミン酸に変換する
のがAST(GOT)の役割である。
このASTは、
aspartate aminotransferase
(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)の略である。
また
GOTとも言われ、
GOTは
gulutamic oxaloacetic transaminase
(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)の略である。
AST=GOT であり同じものである。
●AST(GOT)の正常値は12~37U/l
どこに存在するかというと
心臓 10000
肝臓 9200
筋肉 6400
腎臓 5800
がん細胞5000
膵臓 1800
というような体内分布になっている。
心臓と肝臓の細胞に多いことがわかる。
■AST(GOT)の異常値がでる疾患
肝細胞内に多く存在するので、肝細胞が壊死したりするときに
増加する。
以下の疾患でAST(GOT)は上昇する。
●肝疾患
・慢性肝炎
・急性肝炎
・肝硬変
・脂肪肝
・閉塞性黄疸
・胆石発作
・うっ血肝
・アルコール性肝炎
・肝がん
●胆道系疾患
●心臓疾患
・心筋梗塞
・うっ血性心不全
●筋疾患
●溶血性疾患
●腎疾患
●急性膵炎
■AST(GOT)の値が上昇する原因
細胞の破壊により、血中に逸脱する。
胆汁に排泄された物質は、胆道の閉塞により
血中に逆流する。
肝細胞障害が強い症状では、
AST(GOT)が5000U/l以上になることがある。
AST(GOT)が500U/l以上であれば、急性肝細胞壊死が
考えられる。