おたふくかぜ
■おたふくかぜ
おたふくかぜは、流行性耳下腺炎というもので、
名前のとおり、耳下腺の炎症です。
ムンプスウイルスの飛沫感染により、耳下腺が腫れる病気です。
耳下腺とは、耳の下にある唾液を出している分泌腺で、
頬からあごにかけて腫れます。
幼児に多く、頬が腫れるので、おたふくかぜといいます。
頬が腫れるけど、本当は耳下腺が腫れているのです。
おたふくかぜは、治療薬はありませんが、治る病気で、
後遺症もありません。
■おたふくかぜの症状
症状は、初期に発熱がみられる場合があります。
耳下腺の腫れと痛みがあります。
それ以外の、かぜ症状(せき、鼻水)などは
ありません。
耳下腺(頬)の腫れは、片方が腫れてからもう一方が
腫れてくる場合が約75%くらいで、
片方だけ腫れる場合が約25%です。
腫れは3日目くらいがもっとも強く、
1週間程度で治ることが多いです。
■おたふくかぜの原因
原因は、ムンプスウイルスの感染です。
潜伏期間は2~3週間です。
人に感染させやすい時期は、
耳下腺が腫れてくる数日前から、耳下腺が腫れてきて10日程度
の間です。
感染しても、症状が出ない場合が約30~40%あります。
■おたふくかぜの合併症
合併症として、以下の4つがあげられます。
1.無菌性髄膜炎
おたふくかぜにかかった人の約3%にみられ、最も頻度の
高い合併症です。
発熱、頭痛、嘔吐がみられます。
2.難聴
約300人に1人の割合で起こります。
耳下腺の腫れが消えてから、1ヶ月以内に起こります。
難聴は、片方の耳に起こる場合がほとんどで、約10%で
両方の耳に起こります。
3.精巣炎
男性の合併症ですが、
思春期以降におたふくかぜにかかると、精巣炎になる場合
があります。
4.卵巣炎
女性の合併症です。
■おたふくかぜの予防接種
おたふくかぜの予防接種は、任意接種で、
受けたい人だけ受けるという予防接種です。
1歳以降で1回接種します。
生ワクチンで、上腕部に注射します。
おたふくかぜは幼児期後半にかかりやすいので、
2歳~3歳までに接種するといいかもしれません。
おたふくかぜは治る病気なので、予防接種をうけなくても
よいですが、合併症などもあるので、受けたほうがよい
かもしれません。
予防接種の副作用としては、
接種後2週間後くらいに、発熱や耳下腺が軽く
腫れる場合があります。