前期破水
■前期破水
破水とは、赤ちゃんを包んでいる膜である卵膜という膜の一部が
破れて、卵膜の中の羊水が流れ出ることです。
この破水は、通常では、お産がはじまり、子宮口が開きはじめたり
したときに、おこりますが、
お産の前に破水してしまうことを前期波水といいます。
■前期波水の原因
前期波水の原因は、膣炎、子宮頸管炎などが多いです。
膣炎、子宮頸管炎になり、卵膜に感染して炎症がおこると、
卵膜が弱くなって、破れやすくなります。
また、原因がわからず、破ける場合もあります。
■前期波水の症状
前期波水の症状は、これといった症状がなく、突然起こります。
流れる羊水の量が多いときは、破水とわかるのですが、
羊水の量が少ないときは、下着がぬれる程度で、ほとんど
わからない場合があります。
尿漏れと見分けがつかない場合もあります。
流れ出る羊水の量は、卵膜が破れる位置にもより、
子宮口に近いところで破れると、量は多くなります。
特に症状がない場合がほとんどなので、ちょっとでも破水かなと
思ったら、診察を受けにいったほうが、よいです。
■前期波水の治療
破水が起こると、その卵膜の破れたところから細菌が入って、
細菌は羊水や赤ちゃんに感染するおそれがあります。
つまり、破水が起こった後にもっとも重要なのは、赤ちゃんに
細菌が感染しないようにすることです。
破水がおこったからって、全部の羊水がでるわけではありません
破水に気づかない程度の量であれば、羊水のほとんどは残っている
はずです。
とりあえず、清潔なパッドなどをあてて、産院に連絡して行きます。
シャワー、入浴は感染の恐れがあるため、控えます。
破水の診断がつくと、すぐに入院になり、細菌感染を防ぐために
抗生剤を使用することになります。
妊娠37週以降であれば、陣痛促進剤を使用し、そのままお産に
移ります。
破水がおこれば、赤ちゃんの細菌感染の恐れがあるので、
なるべく早くにお産したいからです。
GBS(B群溶連菌)による子宮内感染症では、新生児敗血症や
髄膜炎の原因になることがあるので、注意が必要です。