気胸
■気胸
気胸とは、肺の外である胸腔内に空気がたまった状態に
なることです。
胸腔内とは、体の胸の肋骨内には、肺と心臓がありますが、
その肺と心臓が入っている腔を胸腔といいます。
つまり、体の空洞のことです。
その胸の部分の空洞に、肺と心臓が入っているのですが、
通常は、肺と心臓の外には、空気はもれません。
空気は肺内にしか入ってこないからです。
しかし、この肺に穴があいたとします。
そうすると、その穴から空気がもれます。
そして、そのもれた空気は、胸腔という空洞のなかに溜まる
のです。
これを気胸といいます。
簡単にいえば、肺が破れると気胸になります。
■気胸の種類
気胸の種類としては、
・自然気胸
・外傷性気胸
があります。
自然気胸とは、なんらかの疾患の原因があって、気胸になることです。
外傷性気胸とは、外傷によって胸や肺に損傷があって気胸になるこ
とです。
■気胸の原因
気胸原因としては、肺の表面に膜があるのですが、その膜表面の
ブラ、ブレブという気腫性嚢胞である、小さなふくらみが
破裂し、肺の外に空気がもれることによりおこる。
10~20歳代の男性のやせ型、身長の高い人におこりやすい。
急に起こることがあります。
もともと、基礎疾患で、肺疾患、とくに、肺気腫の人に
おこることが多い。
肺気腫の人は、肺胞破壊をきたして、肺の表面上に
気腫性肺嚢胞を多発性に形成するので、気胸が多くなる。
■気胸の症状
気胸の症状としては、
呼吸困難、胸痛、咳
があげられる。
重症になると、酸素がすくなくなったり、ショックを起こす
場合もある。
肺の虚脱の割合は、レントゲンでみないとわからないが、
肺に穴があくので、肺は虚脱する。
■気胸の治療
気胸の治療としては、
肺の虚脱が50%を超えずに、症状もそんなにひどく
なければ、安静にしてもらい経過観察する。
安静にしていれば、そのうち、穴は自然とふさがる。
そして、肺外の空気は自然と吸収されていく。
経過観察していても、肺の穴がふさがらずに、
虚脱したままで、虚脱が50%以上のとき、
症状がひどい場合は、胸腔にカテーテルというチューブを
いれて、空気を吸引する。
ある程度で、胸腔内を吸引すると、陰圧がかかるので、
肺は膨張するはずである。
もっとも重症か、再発を繰り返す場合は、
手術になる。
肺嚢胞がある場合、それを切除する。
最近は、胸腔鏡といって、小さい穴から
手術ができるようになった。