肺アスペルギルス症
■肺アスペルギルス症
肺アスペルギルス症とは、真菌(カビ)である、アスペルギルス属
によって発病する呼吸器疾患である。
アスペルギルスが原因となる疾患は、
・侵襲性肺アスペルギルス症
・アスペルギローマ
・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症など
防御能による病態によって分けられる。
●侵襲性肺アスペルギルス症
アスペルギルス属の胞子を空気中から吸って、それが
肺に入り組織内に菌が侵襲し、発症する。
通常の人は、菌が入ってきても、好中球などにより
菌を殺すが、重症な患者や、好中球が少ない患者では、
菌を殺す処理が追いつかないことにより発症する。
進行が急速で、死亡率は約50%にもなる。
●アスペルギローマ
アスペルギルス属が増殖するが、組織の侵襲はみられない状態
がアスペルギローマの様態となる。
アスペルギローマとは、fungus ballといわれ、空洞内の
楕円物構造をいう。
●アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症とは、
アスペルギルスに対する免疫反応が生じた時に、
発症する病気である。
喘息発作、気管支拡張症、発熱、喀痰、喀血などを
認める。