胆石症
■胆石症
胆石症とは、胆道系(胆のう、肝臓から、12指腸へのとおり道)
に発生する固形物であり、この固形物を胆石という。
この胆石がみつかったものを胆石症という。
男性より女性に多い。
成人の頻度は、約5~10%
50歳代以上で頻度が10%を越える
■胆石の種類
●コレステロール胆石(頻度70%)
コレステロールが70%以上含有している胆石を
コレステロール胆石という。
通常は、コレステロールは水に溶けないので、胆汁酸と
レシチンで溶かしているが、食生活などで、コレステロールが
過剰になってくると、コレステロールを溶かすだけの胆汁酸
が足りなくなり、そうなると、コレステロールが胆のう内で
析出、胆石となる。
●色素胆石(頻度30%)
・ビリルビンカルシウム石(頻度15%)
要は、ビリルビンとカルシウムが結合してビリルビンカルシウム
となりこれが析出してできた胆石のことをいう。
胆汁中にあるビリルビンは、グルクロン酸ほうごうという
ものをして、ビリルビンクロナイドというものを形成し
水に溶けやすくなっている。
胆道系に感染があると、細菌性βグルクロニダーゼにより
胆汁中のビリルビンクロナイドが加水分解を受けて、
遊離型ビリルビンとなり、これにカルシウムがくっつく。
そしてビリルビンカルシウムができる。
・黒色石(頻度15%)
ビリルビンカルシウムの重合体によるもの
■胆石症の症状
胆石症の50~70%は無症状である。
胆石発作の症状としては、
疼痛、発熱、黄疸があるが、典型的症状をするものは
まれである。
■胆石症の治療
・無症状であれば、なにもせずに、経過観察する。
・コレステロール胆石であれば、コレステロール胆石溶解療法
により、胆汁酸で胆石を溶かす。
・体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)
胆石を粉砕する機械をつかって、胆石を粉砕するもの
である。
石灰化のない、径2CM以下で、個数が3個以下のものが
適応となる。
・内視鏡下胆石除去術
内視鏡で、胆石をとるもの
・腹くう鏡下胆のう摘出術
胆のうを切除するものである。
胆石が大きい場合や、疼痛をくりかえすもの、
発熱、黄疸のあるものなどが適応となる。
●コメント
胆石症とは違う症例で入院している患者さんがいたのですが、
この方は、3.5cmの胆石がありました。
このくらいの巨大胆石でも、無症状でした。
無症状の病気はいやですね。
検査するまで発見できないですから・・・。