特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
■特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
ITPとは、idiopathic thrombopenic purpuraの略です。
(つまり特発性血小板減少性紫斑病の英語の略です)
特発性血小板減少性紫斑病とは、
原因不明の自己免疫疾患で、
抗血小板抗体といわれる自己抗体(自分を攻撃する物質)
が血小板を破壊することによって、
血小板の減少をしめし、
その結果表在性の出血(紫斑:むらさきの点々状の出血)
を示した疾患である。
血小板とは、血を止める働きがあり、
正常値は、15~35万/ulである。
これが、特発性血小板減少性紫斑病の患者では、
10万/ul以下となる。
結局、血小板が減少すると、
血がとまりにくくなり、すなわち出血すると
とまりにくくなる。
平成13年の段階で、32000人いる
特定疾患の難病指定になっているので、公費負担がある。
■特発性血小板減少性紫斑病の種類
特発性血小板減少性紫斑病には、
急性型
慢性型
とがある。
急性型は、小児で2~6歳によくみられる。
急激に発症する。
ウイルス感染がまずあってから発症する。
自然と治る場合が多い。
慢性型は、成人で20~40歳の女性にみられる。
自己抗体による場合が多い。
■特発性血小板減少性紫斑病の症状
血小板が減少するだけなので、身体的症状は
ほとんどない。
皮膚、粘膜に出血症状がみられ、
紫色の点々状のものが皮膚にみられる。
■特発性血小板減少性紫斑病の検査
検査は、血液検査を行う。
■特発性血小板減少性紫斑病の治療
特発性血小板減少性紫斑病の治療は、
血小板の減少を抑えることになるが、
以下の方法がある。
1.副腎皮質ステロイド療法
これは、ステロイド剤を投与する方法で、
第一選択になる。
これで完全によくなるのは、だいたい33%
2.脾臓摘出
血小板を破壊する部分として脾臓があるが、その脾臓を
とってしまうことで、血小板の減少を減らそうという
方法である。
これで、完全によくなるのは、だいたい45%
3.免疫抑制療法
免疫抑制剤などにより、抗血小板抗体の産生を抑制する
方法。
約30%の症例では、
ステロイドも脾臓摘出でもなおらない難治性の
特発性血小板減少性紫斑病である。
治療方針としては、
血小板数5万/ulをめざす。