特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

ITPとは、idiopathic thrombopenic purpuraの略です。
(つまり特発性血小板減少性紫斑病の英語の略です)

特発性血小板減少性紫斑病とは、

原因不明の自己免疫疾患で、

抗血小板抗体といわれる自己抗体(自分を攻撃する物質)

が血小板を破壊することによって、

血小板の減少をしめし、

その結果表在性の出血(紫斑:むらさきの点々状の出血)

を示した疾患である。


血小板とは、血を止める働きがあり、

正常値は、15~35万/ulである。

これが、特発性血小板減少性紫斑病の患者では、

10万/ul以下となる。

結局、血小板が減少すると、

血がとまりにくくなり、すなわち出血すると

とまりにくくなる。


平成13年の段階で、32000人いる

特定疾患の難病指定になっているので、公費負担がある。


特発性血小板減少性紫斑病の種類

特発性血小板減少性紫斑病には、

急性型

慢性型

とがある。

急性型は、小児で2~6歳によくみられる。

急激に発症する。

ウイルス感染がまずあってから発症する。

自然と治る場合が多い。


慢性型は、成人で20~40歳の女性にみられる。

自己抗体による場合が多い。


特発性血小板減少性紫斑病の症状

血小板が減少するだけなので、身体的症状は

ほとんどない。

皮膚、粘膜に出血症状がみられ、

紫色の点々状のものが皮膚にみられる。


特発性血小板減少性紫斑病の検査

検査は、血液検査を行う。


特発性血小板減少性紫斑病の治療

特発性血小板減少性紫斑病の治療は、

血小板の減少を抑えることになるが、

以下の方法がある。

1.副腎皮質ステロイド療法

これは、ステロイド剤を投与する方法で、

第一選択になる。

これで完全によくなるのは、だいたい33%

2.脾臓摘出

血小板を破壊する部分として脾臓があるが、その脾臓を

とってしまうことで、血小板の減少を減らそうという

方法である。

これで、完全によくなるのは、だいたい45%


3.免疫抑制療法

免疫抑制剤などにより、抗血小板抗体の産生を抑制する

方法。

約30%の症例では、

ステロイドも脾臓摘出でもなおらない難治性の

特発性血小板減少性紫斑病である。


治療方針としては、

血小板数5万/ulをめざす。



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