腹水とは?
■腹水とは?
おなかには、腹腔といわれるすきまがあります。
その腹腔には、臓器と臓器の摩擦をすくなくして、
運動を円滑にするたに、すこしの水がはいっています。
その水は、通常は20~50mlです。
そして、その水が通常の量よりたくさん溜まった状態を
腹水といいます。
だいたい、肝硬変や、肝疾患の患者さんがなる場合が
多いです。
腹水が進行すると、おなかがぽっこりとでてきます。
腹水になったから、何かをすぐに治療しなければならない
ということはありません。
腹水は何かの疾患があって、2次的になる合併症みたいな
ものです。
しかし、腹水になった場合は、血中のタンパクが少なくなって
いる場合が多いので、少なくなりすぎているとそれを補充する
必要があります。
■なぜ腹水になるのか?
なぜ腹水になるのかというと、
それは、簡単にいうと、血管の水分に圧力がかかり、
腹腔内にしみでたという感じです。
肝硬変では、門脈といわれる血管の圧力が上昇します。
それに、血清タンパクが減少して、
循環血液量が増加してなどの
複数の因子がからまって、腹水が発症します。
また、腹膜の炎症がおこったときも、腹腔への血管透過
性が高まり、腹水になる場合があります。
■腹水になる原因疾患
・肝硬変、肝癌、劇症肝炎、肝炎
・ネフローゼ症候群
・腹膜疾患(腹膜炎)
・右心不全
■腹水の治療
腹水の治療は、原因疾患をなおすことです。
つまり、原因である疾患をなおさないと、
ずっと続きます。
対処療法的に、腹水の量を少なくするには、
直接針で刺して、腹水を抜くか、
利尿剤で、おしっこの量をふやして
徐々に、腹水の量を減らしていくかです。
腹水の場合は、たいてい低アルブミン血症に
なっています。(血清タンパクが減っている)
なので、アルブミンの補充をします。
腹水の量が大量であれば、腹水の中のタンパクが
もったいないので、腹水濃縮ろ過といって、
自分の腹水を採って、それを機械で濃縮して
それをまた自分の血管へ返すという
血液浄化療法もあります。