黄疸とは?
■黄疸とは?
黄疸とは、血液中のビリルビンが増加して、そのビリルビンに
よって、皮膚や粘膜などの組織が黄色く沈着した状態をいう。
ビリルビンの正常値は、
間接ビリルビン 0.1~0.8mg/dl
直接ビリルビン 0 ~0.3mg/dl
総ビリルビン(間接と直接をたしたもの)0.2~1.0mg/dl
となる。
すなわち、正常では、ビリルビンは1.0mg/dl以下であるが、
この値が上昇してきて、2mg/dl以上になってくると
だんだん皮膚が黄色くなってくる。
一番わかりやすいのは、眼の白眼が黄色くなる。
■黄疸がでるしくみ
黄疸というのは、血中のビリルビンが上昇すると
なるので、なぜビリルビンが上昇するかを考えないといけない。
ビリルビンは、その約80%は赤血球が破壊され、その中にある
ヘモグロビンが分解された際にできる代謝産物である。
赤血球の破壊によってできたビリルビンは、アルブミンとくっつ
き、肝臓に運ばれる、そして肝臓にたどりつくと、
ビリルビンはアルブミンと切り離されて、肝細胞内にはいる。
肝細胞内の小胞体というところで、グルクロン酸抱合という
ものをうけて、肝細胞から出て、毛細胆管腔へいき、胆管に
胆汁として出される。
そして胆汁は、総胆管をでて、十二指腸へでる。
つまり、
赤血球破壊→肝細胞→胆管→十二指腸
というながれになっていて、
このながれのどこがが詰まったり、
肝臓の機能が低下したりすると、ビリルビンが血中に
行ってしまい、血中のビリルビンが上昇する。
■黄疸がでる疾患
・肝硬変
・ウイルス性肝炎
・自己免疫性肝炎
・薬剤性肝障害
これらは、肝機能が低下したり、毛細胆管が破壊されたり
して、毛細胆管に行くはずのビリルビンが血中へ出てしまった
ためにビリルビンが上昇する。
くわしくは、直接ビリルビンが上昇する。
・胆石
・胆管がん
これらは、胆汁がたまることにより、血中へビリルビンが
でる。
■黄疸の治療
黄疸の治療は、ビリルビンを正常値に戻すことであるので、
ビリルビンが上昇する原疾患をなおす必要がある。
だいたいは、肝疾患か
胆道疾患になるので、
その治療となる。
ビリルビンが正常値にもどれば、皮膚が黄色いのも
だんだんとなおる。