鉄(血清鉄)

鉄(血清鉄)

通常鉄が少ないというと、血清中の鉄が

少ないということをさします。(血清中とは血中とおなじと思って

ください)

では、血中の鉄が少ないとはどうゆう意味なのでしょうか?

人間の体には、約4gの鉄があります。

しかし、そのほとんどは、赤血球や

肝臓、脾臓、骨髄、筋肉などに分布しており、

血清中には、全体の約0.1%しかありません。

つまり4mgです。

そして血清中の鉄は、トランスフェリンといわれる

タンパクとくっついて存在します。

すなわち

血中にある鉄=血清鉄=鉄+トランスフェリン

ということになります。


血清鉄の正常値

男性:64~187ug/dl
女性:40~162ug/dl

となります。

血清鉄の半減期は、1~2時間

トランスフェリンの半減期は約8日となる。


血清鉄の代謝

鉄は、赤血球をつくるのに主に使われる。

また出血などで減少する。

1日に消費される鉄は、約28mgほどである。

このうち70%ほどは、赤血球が寿命となり

赤血球が破壊されるときのヘモグロビンが分解させる

ときの鉄により供給される。


結局、1日に0.5~1.5mgの鉄が失われる。

だいたい1日に食事から鉄を10~15mg摂取すると

吸収されるのは、1~1.5mgなので、

ほとんど吸収と消費がおなじになる。


もし鉄の摂取がほとんどなくても、

体内に貯蔵されている鉄があるので、

男性なら約2年間は、まったく鉄をとらなくても

大丈夫であるといわれている。


しかし女性では、月経時に毎月16~32mgの鉄を

失うことになる。


血清鉄が減少する原因

血清鉄が減少すると、鉄欠乏性貧血がおこりやすくなる。

これは、鉄が少ないことで、赤血球が作れなくなる

からである。

血清鉄が減少する原因としては、以下のものがある

1.栄養不良、摂取不足

食事からの鉄の摂取が不足し、吸収が

少ない場合です。


2.慢性の失血

これは、血が血中から少なくなるために

鉄が欠乏するということである

3.感染症、膠原病、がん

機序は不明

4.トランスフェリンの減少

ネフローゼなど尿中に排泄されてしまうので



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