血清タンパク
■血清タンパク
血清タンパクとは、血中にあるタンパクのことです。
血中のタンパクは、
・アルブミン
・α1分画に属するタンパク
・α2分画に属するタンパク
・β分画に属するタンパク
・γ分画に属するタンパク
という風に分けられます。
そのほとんどがアルブミンです。
(総タンパクの約6~7割)(3.7~4.9g/dl)
血清タンパクには、80種類以上のものがあるようです。
いろいろなタンパクがあるわけですが、
その各タンパクごとに役割も違います。
たとえば、栄養素や薬をはこんだり、
凝固に関係するタンパクであったり、
細菌をやっつけるタンパクであったりします。
つまり重要な機能があるわけですが、
なので、血清タンパクの値が低くなると
その機能が低下することをしめしているので、
この血清タンパクの値は重要です。
血清にあるタンパクは、
6.7g/dl~8.3g/dlが正常値になります。
■タンパクの合成
食事で摂ったタンパク質は消化されてアミノ酸にまで分解され
ます。
では血清のタンパクは、どこで合成されているのでしょうか?
それは、大きく2つあります。
1つは、肝臓
もう1つは、リンパ器官です。
肝臓では、
・アルブミン
・α1分画に属するタンパク
・α2分画に属するタンパク
・β分画に属するタンパク
を主に合成しています。
リンパ器官では
・γ分画に属するタンパクを主に合成しています。
つまり、肝臓がタンパク合成に重要な役割を
はたしているわけです。
なので、もし肝炎や肝硬変などの肝機能不全に
なると、タンパクの合成があまりされなくなる
わけです。
そうなると、血清タンパクの量も低下してきます。
■血清タンパクの体内分布
血清タンパクというと、血管内にあるタンパクだけ
と思ってしまいますが、実は血管外にもタンパクは
あります。
(血液検査での総タンパクの値は血中のタンパクです。)
血清タンパクは、血管を通り抜けて、組織間へも
移行します。
血管外では、リンパ管をとおったりしています。
アルブミン、IgGなどのタンパクは、
血管内には、40~49%くらいしかありません。
のこりの51~60%は血管外にあります。
しかし、IgMやフィブリノーゲンなどの大きい
タンパクは約80%が血管内にあります。