カリクレイン
■カリクレイン
カリクレインは、分子量10万の酵素である。
カリクレインは、
1.高分子キニノーゲンをブラジキニンへ
2.凝固因子の第ⅩⅡ因子を活性化第ⅩⅡ因子へ
変換する作用をもつ
■カリクレインの種類
カリクレインには、
1.血漿カリクレイン
2.腺性カリクレイン(膵臓、唾液腺などの外分泌腺)
3.組織カリクレイン
の3種類ある。
1.の血漿カリクレインは、高分子キニノーゲンに作用し
2.3.の腺性カリクレインと組織カリクレインは、
低分子キニノーゲンに作用する。
■カリクレインとプレカリクレイン
プレカリクレインとは、カリクレインの前駆体である。
血漿中では、
プレカリクレインは、高分子キニノーゲンと複合体を
形成して存在する。
プレカリクレインが凝固因子の第ⅩⅡ因子の作用を受けると
カリクレインになる。
●プレカリクレイン →カリクレイン
↑ ↑
●第ⅩⅡ因子 → 活性化第ⅩⅡ因子
■プレカリクレイン―高分子キニノーゲン複合体の作用
プレカリクレイン―高分子キニノーゲン複合体は、
1.陰性荷電をもった表面に吸着する
(陰性荷電をもった表面とは、損傷した血管基底膜、
コラーゲン、プロテオグリカンなど)
2.高分子キニノーゲンは、凝固因子の第ⅩⅠ因子と複合体を
形成し、陰性荷電表面に吸着する。
3.陰性荷電表面には、凝固因子の第ⅩⅡ因子がくっついていて、
その第ⅩⅡ因子は、プレカリクレインに作用して、
プレカリクレインをカリクレインにする。
4.カリクレインは、凝固因子の第ⅩⅡ因子に作用して、
第ⅩⅡ因子を活性化第ⅩⅡ因子にする。
5.活性化第ⅩⅡ因子は、第ⅩⅠ因子に作用して、
第ⅩⅠ因子を活性化第ⅩⅠ因子にして、内因系の
血液凝固系を進行させる。
6.カリクレインは、高分子キニノーゲンに作用し、
高分子キニノーゲンをブラジキニンにする。
7.活性化第ⅩⅡ因子は、プレカリクレイン→カリクレインの
反応を促進させる。
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●第ⅩⅠ因子
|
●高分子キニノーゲン →ブラジキニン
| ↑
●プレカリクレイン →カリクレイン
↑ ↑
●第ⅩⅡ因子 → 活性化第ⅩⅡ因子
↑ ↓
カリクレイン ↓
↓
第ⅩⅠ因子 → 活性化第ⅩⅠ因子
●のついている物質
・第ⅩⅠ因子
・高分子キニノーゲン
・プレカリクレイン
・第ⅩⅡ因子
は、陰性荷電をもった表面にひっつく
(損傷した血管基底膜、コラーゲン、プリテオグリカンなど)