組織トロンボプラスチン

組織トロンボプラスチン

組織トロンボプラスチンとは、

凝固因子の第Ⅲ因子のことである。

組織因子とも言われる。


組織トロンボプラスチンは、分子量が5万~30万の

糖タンパクである。

正常値は、

男性:60~120pg/ml
女性:40~100pg/ml

組織トロンボプラスチンはあらゆる細胞膜中に存在する

組織トロンボプラスチンは、膜を1回貫通している膜タンパクである。

組織トロンボプラスチンは、全身の臓器にあるが、

特に、肺、脳、胎盤に多い

血管壁の平滑筋細胞、線維芽細胞で産生される。

正常状態では、血管内皮細胞や血球には発現していないが、

炎症やがん、炎症性サイトカイン、エンドトキシンなどに

刺激されると、血管内皮細胞や血球にも発現してくる。


組織トロンボプラスチンの役割

組織トロンボプラスチンは、凝固系の外因系の

出発地点となる。


組織トロンボプラスチンの進行

1.組織トロンボプラスチンは、カルシウムイオンを介して

第Ⅶ因子と結合する

2.そして、第Ⅶ因子が活性化させる

3.そして、Ⅸ因子とⅩ因子を活性化させる

以下共通の凝固経路をとる


ココから外因系の凝固開始
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組織トロンボプラスチン+第Ⅶ因子+カルシウムイオン(複合体)
  ↓
  ↓
組織トロンボプラスチン+活性化第Ⅶ因子(複合体)
  ↓
↓↓↓↓↓↓↓           
↓     ↓           
↓ 第Ⅸ因子→活性化第Ⅸ因子    
↓        ↓
↓        ↓
↓  活性化第Ⅸ因子+リン脂質+カルシウムイオン+活性化第Ⅷ因子
↓        ↓(血小板膜)
↓        ↓
↓        ↓
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

    ↓
第Ⅹ因子→活性化第Ⅹ因子
       ↓
       ↓
       ↓
 活性化第Ⅹ因子+リン脂質+カルシウムイオン+活性化第Ⅴ因子
       ↓(血小板膜)
       ↓
       ↓
プロトロンビン→トロンビン

          ↓
  フィブリノーゲン→フィブリン

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凝固系ココまで

このように、組織トロンボプラスチンは、

外因系の凝固系の開始部分の役割をはたしている。



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