ビタミンA

ビタミンA

ビタミンAとは、

・視覚作用
・粘膜、皮膚の正常維持
・生殖機能の維持
・成長作用
・味覚
・細胞の分化、増殖
・免疫作用

などの生理機能を有するビタミンである。

化学名はレチノール(ビタミンA=レチノールである)

分子量は286

脂溶性のビタミンである。

ビタミンAに関するもので、βカロテンがあるが、

βカロテンが生体内で変化したものがビタミンAである。

体内では、ほとんどが脂肪酸エステルとして、肝臓に貯蔵される。


ビタミンAの吸収

動物性食品には、哺乳類や魚の内臓に、レチノール(ビタミンA)

がレチニルエステルという形で含まれている。

レチニルエステルを摂取すると、小腸でレチノールとなり、

小腸上皮細胞でレチニルエステルになり、血中を移動し

肝臓へ行く。そしてレチノールになる。

肝臓でレチノール結合タンパクとレチノールが結合し

血中を移動し、標的細胞にレチノール(ビタミンA)を渡す。


植物性食品は、色の濃い野菜に、カロテン(βカロテン)という形で

含まれている。

βカロテンは、小腸で吸収され、レチノールに変換される。

そしてレチノールは、レチニルエステルになり血中を移動し、

あとは、動物性食品と同様の流れとなる。


ビタミンA欠乏症

ビタミンAが欠乏してくると以下のような症状がでる。

・夜盲症
・皮膚、粘膜の角化
・骨粗鬆症
・成長遅滞
・生殖機能障害

などがある。

夜盲症とは、暗いところでの眼の順応が低下することで

ある。

通常の食事をしていれば、欠乏症になることは少ない。

なぜなら、ビタミンAは、肝臓に貯蔵されているからである。


ビタミンA過剰症

ビタミンAは脂溶性であるので、体外へ排泄されにくく、

肝臓で貯蔵されることから、蓄積されて、過剰症となる

場合がある。

通常の食事をしている場合は、過剰症になることはない。

ビタミンAの過剰症の症状としては、

・頭痛、吐き気などの、脳圧亢進症状

・四肢痛

・肝障害

などになる場合がある。


ビタミンAの食事摂取基準

ビタミンAは、

成人男性:750ugRE/日
成人女性:600ugRE/日

となっている。

上限値は、3000ugRE/日

この単位のREとは、

RE:レチノール当量

で、ビタミンAは、レチノールのことなので、

レチノールとして何グラムか?ということである。

レチノールは、カロテンから変換されるが、

1ugのレチノールは、12ugのβカロテンと同じである。

つまり、

1ugレチノール=12ugβカロテン=24ugαカロテン

である。

このため、野菜などの植物性食品から摂取した場合は、

βカロテンとして摂取になるので、これをレチノール量として

換算するために、RE:レチノール当量を用いる。


ビタミンAが含まれている食品

ビタミンAは、

動物性食品のレチノールと

植物性食品のカロテン

に分けられるが、

どちらも、レチノールの値として比較すると、

レチノール当量(ug/100g)として

・ニワトリ肝臓 14000(ug/100g)
・豚肝臓    13000
・ヤツメウナギ  8200
・トウガラシ   2900
・シソ      1800
・モロヘイヤ   1700
・ニンジン    1500
・ウナギ     1500
・パセリ     1200
・アナゴ      890
・シュンギク    750
・ホウレンソウ   700
・カボチャ     660
・卵黄       480


内臓(肝臓)や色の濃い野菜に多く含まれます。



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