ビタミンA
■ビタミンA
ビタミンAとは、
・視覚作用
・粘膜、皮膚の正常維持
・生殖機能の維持
・成長作用
・味覚
・細胞の分化、増殖
・免疫作用
などの生理機能を有するビタミンである。
化学名はレチノール(ビタミンA=レチノールである)
分子量は286
脂溶性のビタミンである。
ビタミンAに関するもので、βカロテンがあるが、
βカロテンが生体内で変化したものがビタミンAである。
体内では、ほとんどが脂肪酸エステルとして、肝臓に貯蔵される。
■ビタミンAの吸収
動物性食品には、哺乳類や魚の内臓に、レチノール(ビタミンA)
がレチニルエステルという形で含まれている。
レチニルエステルを摂取すると、小腸でレチノールとなり、
小腸上皮細胞でレチニルエステルになり、血中を移動し
肝臓へ行く。そしてレチノールになる。
肝臓でレチノール結合タンパクとレチノールが結合し
血中を移動し、標的細胞にレチノール(ビタミンA)を渡す。
植物性食品は、色の濃い野菜に、カロテン(βカロテン)という形で
含まれている。
βカロテンは、小腸で吸収され、レチノールに変換される。
そしてレチノールは、レチニルエステルになり血中を移動し、
あとは、動物性食品と同様の流れとなる。
■ビタミンA欠乏症
ビタミンAが欠乏してくると以下のような症状がでる。
・夜盲症
・皮膚、粘膜の角化
・骨粗鬆症
・成長遅滞
・生殖機能障害
などがある。
夜盲症とは、暗いところでの眼の順応が低下することで
ある。
通常の食事をしていれば、欠乏症になることは少ない。
なぜなら、ビタミンAは、肝臓に貯蔵されているからである。
■ビタミンA過剰症
ビタミンAは脂溶性であるので、体外へ排泄されにくく、
肝臓で貯蔵されることから、蓄積されて、過剰症となる
場合がある。
通常の食事をしている場合は、過剰症になることはない。
ビタミンAの過剰症の症状としては、
・頭痛、吐き気などの、脳圧亢進症状
・四肢痛
・肝障害
などになる場合がある。
■ビタミンAの食事摂取基準
ビタミンAは、
成人男性:750ugRE/日
成人女性:600ugRE/日
となっている。
上限値は、3000ugRE/日
この単位のREとは、
RE:レチノール当量
で、ビタミンAは、レチノールのことなので、
レチノールとして何グラムか?ということである。
レチノールは、カロテンから変換されるが、
1ugのレチノールは、12ugのβカロテンと同じである。
つまり、
1ugレチノール=12ugβカロテン=24ugαカロテン
である。
このため、野菜などの植物性食品から摂取した場合は、
βカロテンとして摂取になるので、これをレチノール量として
換算するために、RE:レチノール当量を用いる。
■ビタミンAが含まれている食品
ビタミンAは、
動物性食品のレチノールと
植物性食品のカロテン
に分けられるが、
どちらも、レチノールの値として比較すると、
レチノール当量(ug/100g)として
・ニワトリ肝臓 14000(ug/100g)
・豚肝臓 13000
・ヤツメウナギ 8200
・トウガラシ 2900
・シソ 1800
・モロヘイヤ 1700
・ニンジン 1500
・ウナギ 1500
・パセリ 1200
・アナゴ 890
・シュンギク 750
・ホウレンソウ 700
・カボチャ 660
・卵黄 480
内臓(肝臓)や色の濃い野菜に多く含まれます。