ビタミンD
■ビタミンD
ビタミンDは、以下のような生理作用をもつ
ビタミンである。
・小腸からのカルシウム、リン酸の吸収促進
・腎尿細管でのカルシウム、リン酸の再吸収促進
・骨からのカルシウム遊離促進
・がん細胞増殖抑制
・免疫調節作用
・副甲状腺ホルモン産生・分泌抑制作用
・発毛調節作用
この中で特に重要なのは、カルシウムの吸収促進
作用である。
つまり、ビタミンDは、血中のカルシウムの調整に
役立っている。
■ビタミンDの種類
ビタミンDには、
ビタミンD2 と
ビタミンD3 がある。
植物性のプロビタミンD2由来のものがビタミンD2で
主にシイタケなどのきのこ類に含まれる。
動物性のプロビタミンD3由来のものがビタミンD3で
主に魚、肉に含まれる。
人の血中のビタミンDの大部分はビタミンD3である。
また、人の皮膚には、ビタミンD3の前駆体である、
プロビタミンD3がある。
人の皮膚にあるプロビタミンD3は、紫外線を浴びることで
ビタミンD3になる。
日光を浴びると、どのくらいのビタミンD3ができるかと
いうと、
夏の晴れの日 720IU
夏のくもりの日 260IU
冬の晴れの日 400IU
冬のくもりの日 150IU
となり、季節と天気によって変わってきます。
■ビタミンDの吸収
食事から摂取するビタミンD
(魚肉のビタミンD3ときのこ類のビタミンD2)
は、脂溶性ビタミンなので、消化管で、胆汁酸塩類
などによりミセルを形成し、小腸より吸収される。
小腸より吸収されたビタミンDは、ビタミンD結合タンパクと
結合して肝臓に運ばれる。
(以下ビタミンD3の説明)
肝臓では、ビタミンD-25-水酸化酵素により、
25-OH-D3に代謝される。
25-OH-D3は、ビタミンD結合タンパクと結合し、
腎臓へ運ばれる。
腎臓にある1α-水酸化酵素により、25-OH-D3は
1α,25(OH)2D3に代謝される。
1α,25(OH)2D3は、活性型ビタミンDと呼ばれる。
活性型ビタミンDは、
・小腸からのカルシウム、リン酸の吸収促進
・腎尿細管でのカルシウム、リン酸の再吸収促進
・骨からのカルシウム遊離促進
・がん細胞増殖抑制
・免疫調節作用
・副甲状腺ホルモン産生・分泌抑制作用
・発毛調節作用
などの生理作用をしめす。
■ビタミンDの摂取基準
ビタミンDの摂取基準は
成人で1日に5ugで
上限が50ugです。
0.025ug=1IU と定められているので、
2.5ug=100IU
5ug=200IU となります。
■ビタミンD欠乏症
ビタミンDが欠乏すると、以下のような
症状がでる。
・くる病(乳幼児での欠乏)
・骨軟化症(成人による欠乏)
ビタミンDの欠乏は、
ビタミンDの摂取不足
活性型ビタミンDの生成障害
でおこる。
■ビタミンD過剰症
ビタミンDを取りすぎると、
・高カルシウム血症
・異常石灰化
・食欲不振
・頻尿
・嘔吐
などの症状を呈する場合があるが、
通常の食事では、ほとんど心配ない。
1日あたり、50~100ugを連日摂取すると
ビタミンD過剰症の症状がでる危険性がある。
■ビタミンDが含まれる食品
・ウナギ 71ug/100g
・カレイ 61
・ヒラメ 53
・カツオ 35
・マダイ 23
・サバ 19
・ブリ 18
・イワシ 13
・サケ 5
・干しシイタケ 24
・生シイタケ 9
・生シメジ 3
・干しキクラゲ 45
・たまご 2
・卵黄 4