ビタミンD

ビタミンD

ビタミンDは、以下のような生理作用をもつ

ビタミンである。

・小腸からのカルシウム、リン酸の吸収促進
・腎尿細管でのカルシウム、リン酸の再吸収促進
・骨からのカルシウム遊離促進
・がん細胞増殖抑制
・免疫調節作用
・副甲状腺ホルモン産生・分泌抑制作用
・発毛調節作用


この中で特に重要なのは、カルシウムの吸収促進

作用である。

つまり、ビタミンDは、血中のカルシウムの調整に

役立っている。


ビタミンDの種類

ビタミンDには、

ビタミンD2 と

ビタミンD3 がある。

植物性のプロビタミンD2由来のものがビタミンD2で

主にシイタケなどのきのこ類に含まれる。

動物性のプロビタミンD3由来のものがビタミンD3で

主に魚、肉に含まれる。

人の血中のビタミンDの大部分はビタミンD3である。

また、人の皮膚には、ビタミンD3の前駆体である、

プロビタミンD3がある。

人の皮膚にあるプロビタミンD3は、紫外線を浴びることで

ビタミンD3になる。

日光を浴びると、どのくらいのビタミンD3ができるかと
いうと、

夏の晴れの日  720IU
夏のくもりの日 260IU
冬の晴れの日  400IU
冬のくもりの日 150IU

となり、季節と天気によって変わってきます。


ビタミンDの吸収

食事から摂取するビタミンD

(魚肉のビタミンD3ときのこ類のビタミンD2)

は、脂溶性ビタミンなので、消化管で、胆汁酸塩類

などによりミセルを形成し、小腸より吸収される。

小腸より吸収されたビタミンDは、ビタミンD結合タンパクと

結合して肝臓に運ばれる。

(以下ビタミンD3の説明)

肝臓では、ビタミンD-25-水酸化酵素により、

25-OH-D3に代謝される。

25-OH-D3は、ビタミンD結合タンパクと結合し、

腎臓へ運ばれる。

腎臓にある1α-水酸化酵素により、25-OH-D3は

1α,25(OH)2D3に代謝される。

1α,25(OH)2D3は、活性型ビタミンDと呼ばれる。

活性型ビタミンDは、

・小腸からのカルシウム、リン酸の吸収促進
・腎尿細管でのカルシウム、リン酸の再吸収促進
・骨からのカルシウム遊離促進
・がん細胞増殖抑制
・免疫調節作用
・副甲状腺ホルモン産生・分泌抑制作用
・発毛調節作用

などの生理作用をしめす。

ビタミンDの摂取基準

ビタミンDの摂取基準は

成人で1日に5ugで

上限が50ugです。

0.025ug=1IU と定められているので、

2.5ug=100IU

5ug=200IU となります。


ビタミンD欠乏症

ビタミンDが欠乏すると、以下のような

症状がでる。


・くる病(乳幼児での欠乏)

・骨軟化症(成人による欠乏)


ビタミンDの欠乏は、

ビタミンDの摂取不足

活性型ビタミンDの生成障害

でおこる。


ビタミンD過剰症

ビタミンDを取りすぎると、

・高カルシウム血症
・異常石灰化
・食欲不振
・頻尿
・嘔吐

などの症状を呈する場合があるが、

通常の食事では、ほとんど心配ない。

1日あたり、50~100ugを連日摂取すると

ビタミンD過剰症の症状がでる危険性がある。


ビタミンDが含まれる食品

・ウナギ    71ug/100g
・カレイ    61
・ヒラメ    53
・カツオ    35
・マダイ    23
・サバ     19
・ブリ     18
・イワシ    13
・サケ      5

・干しシイタケ 24
・生シイタケ   9
・生シメジ    3
・干しキクラゲ 45

・たまご     2
・卵黄      4



Copyright © hal All Rights Reserved.