カルシウム
■カルシウム
カルシウムとは、原子番号20 原子量40の物質である。
生体内にあるカルシウムは、
99%が骨と歯に存在する。
残りの1%は、細胞内、血中、神経などに存在する。
骨は、コラーゲンからなる部分と、ハイドロキシアパタイト
といわれるカルシウム塩からなる。
■カルシウムの生体内機能
カルシウムの生体内での機能としては以下のものがある。
・骨、歯の形成
・神経、筋肉(細胞)の興奮性作用
・細胞内での機能
・血液凝固に関する作用(第Ⅳ因子)
・酵素活性の作用
■カルシウムの吸収と排泄
カルシウムは、食品から摂取するが、
食事をすると、カルシウムは腸から吸収される。
カルシウム摂取量は、1日に約600mgとれば
よいとされる。
それだと、カルシウムが600mg吸収されるかといえば
それは間違えである。
なぜなら、実際に小腸から吸収されるカルシウムは、
摂取量の約10~30%だからである。
残りは、便中に排泄される。
カルシウムの体内の貯蔵庫は、骨であるが、
吸収されたカルシウムは骨をつくるのに使用される。
骨へのカルシウムの取り込みは、
1日、体重1kgあたり3mgといわれている
つまり、50kgなら150mgである。
そしてその同じ
1日、体重1kgあたり3mgの量が尿から排泄されている。
だいたい、カルシウム摂取量の10%が尿から排泄されて
いる。
つまり、カルシウムは毎日排泄されていくので、カルシウム
摂取がないと、だんだん体内のカルシウムは減少していく。
ではどこからカルシウムは減少していくのか?
それは骨からである。
血中のカルシウムは、常に約10mg/dlになるように
調節されるので、減少してくると
骨のカルシウムを溶かして、それを補う。
このように、だんだんと骨からカルシウムがとられていって
だんだん骨が弱くなる。
■カルシウムを含む食品
各食品100g中のカルシウム含有量
・干しえび 7100mg
・かに 4000mg
・いわし 2200mg
・さくらえび 2000mg
・干しひじき 1400mg
・チーズ 1200mg
・ごま 1200mg
・モロヘイヤ 260mg
・牛乳 110mg
食品によって吸収率が違います。
また先ほどもいったように、小腸から吸収されるのは
摂取量の10~30%です。
■カルシウム欠乏症
カルシウム摂取基準は、1日約600mgですが、
カルシウムを摂取しなかったからといって、急に
カルシウム欠乏症になるわけではありません。
それは、体内にはカルシウムは骨に貯蔵されてあるから
です。
なので、カルシウムが不足すれば骨を溶かしてカルシウムを
補います。
しかし、カルシウム摂取がすくないと、カルシウムは毎日
排泄されていきますので、だんだんと骨がもろくなって
きます。
慢性的にカルシウムが欠乏した状態であれば、老齢になった
時に、骨粗鬆症になる確率が高くなります。
また、カルシウム欠乏症では、高血圧やストレスを引き起こす
ともいわれています。
糖尿病の人では、カルシウム排泄が増え、骨粗鬆症を伴い
やすいです。
■カルシウム過剰症
カルシウムは、小腸から吸収されますが、たくさんカルシウムを
摂りすぎると、その吸収が制御され、吸収量は最大
2500mg/日と考えられています。
大量にカルシウムを摂取した場合、
胃がただれたり、
便秘
マグネシウム欠乏症
などの症状が出る恐れがある。
通常の食事ではまず問題ないでしょう。