異所性石灰化
■異所性石灰化
異所石灰化とは、
・炭酸カルシウム
・リン酸カルシウム
・水酸化リン石灰(ハイドロキシアパタイト)
などの結晶が、体のいろいろな部分に沈着した状態
のことをいう。
結晶が沈着する部分としては、
・血管壁
・関節
・心臓の血管
・心臓の弁
・肺
・皮膚、皮下組織
・眼球結膜、角膜
などがある。
■異所性石灰化の症状
異所性石灰化は無症状である。
結晶の大きさや、広がりは様々である。
レントゲンのX線写真で発見できるものや、
そうでないものもある。
血管壁の石灰化では、心臓カテーテル検査で、
カテーテルを進めていっている際に石灰化が
わかったり(血管壁が硬いことより)
心臓の手術の時に、実際に心臓や血管を
開いたときにわかったりと、
無症状なので知らないうちに、意外と石灰化が
進んでいる場合もみられる。
■異所性石灰化の原因
異所性石灰化の原因としては、
高カルシウム血症と高リン血症である。
血清カルシウムの値×血清リンの値=70以上になると
石灰化に注意しなければならないといわれている。
血清カルシウムの正常値は10mg/dlで
血清リンの正常値は、3~4mg/dlであるので、
正常では、
血清カルシウムの値×血清リンの値は
10mg/dl × 3~4mg/dl=30~40
である。
血清リンの値が、8~9mg/dlになると
石灰化がおきやすい。
■異所性石灰化の影響
異所性石灰化の影響としては、
血管壁での石灰化、特に末梢の血管の
石灰化があると、血管の抵抗ができて、
高血圧の原因となる。
また、末梢組織への虚血がおこりやすくなる。
心臓の血管の石灰化では、心臓の細胞への虚血により
狭心症や、心筋梗塞の原因となる。
関節に石灰化ができると、発赤、疼痛、腫脹などの
炎症症状があらわれる。