異所性石灰化

異所性石灰化

異所石灰化とは、

・炭酸カルシウム
・リン酸カルシウム
・水酸化リン石灰(ハイドロキシアパタイト)

などの結晶が、体のいろいろな部分に沈着した状態

のことをいう。

結晶が沈着する部分としては、

・血管壁
・関節
・心臓の血管
・心臓の弁
・肺
・皮膚、皮下組織
・眼球結膜、角膜

などがある。


異所性石灰化の症状

異所性石灰化は無症状である。

結晶の大きさや、広がりは様々である。

レントゲンのX線写真で発見できるものや、

そうでないものもある。

血管壁の石灰化では、心臓カテーテル検査で、

カテーテルを進めていっている際に石灰化が

わかったり(血管壁が硬いことより)

心臓の手術の時に、実際に心臓や血管を

開いたときにわかったりと、

無症状なので知らないうちに、意外と石灰化が

進んでいる場合もみられる。


異所性石灰化の原因

異所性石灰化の原因としては、

高カルシウム血症と高リン血症である。

血清カルシウムの値×血清リンの値=70以上になると

石灰化に注意しなければならないといわれている。

血清カルシウムの正常値は10mg/dlで

血清リンの正常値は、3~4mg/dlであるので、

正常では、

血清カルシウムの値×血清リンの値は
  10mg/dl  × 3~4mg/dl=30~40

である。

血清リンの値が、8~9mg/dlになると

石灰化がおきやすい。


異所性石灰化の影響

異所性石灰化の影響としては、

血管壁での石灰化、特に末梢の血管の

石灰化があると、血管の抵抗ができて、

高血圧の原因となる。

また、末梢組織への虚血がおこりやすくなる。

心臓の血管の石灰化では、心臓の細胞への虚血により

狭心症や、心筋梗塞の原因となる。

関節に石灰化ができると、発赤、疼痛、腫脹などの

炎症症状があらわれる。



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