血清リン
■血清リン
血清リンとは、血清中に含まれるリンのことです。
つまり、血液検査をしたときのリンの値のことです。
この血清リンは、無機リンのことを指します。
血清リン(無機リン)の正常値は、
2.5~4.5mg/dlです。
■血清リンの分布
血清リンは、
・リン酸 ・・・53%
・タンパク結合リン・・・12%
・リン酸塩(Na,Ca,Mg)・・35%
となっている。
リン酸は、HPO4 2- と H2PO4-
があり、HPO4 2- の方が多い。
■血清リンの役割
リンの役割としては以下のものがあげられる。
・骨、歯の形成
・細胞膜形成
・細胞内エネルギー供給物質
・酸塩基平衡の調節
・血球機能の維持
リンは血清中にはわずかしか含まれていないが、
体内には500~500gのリン酸がある。
その80%は骨と歯に含まれる。
あと、リンは細胞内にも含まれ、
細胞膜の成分のリン脂質として重要である。
■血清リンの低下
血清リンの値が、2.5mg/dl以下のものを
低リン血症という。
血清リンの低下が1.0mg/dlくらいまでは、
症状はほとんどない。
血清リンの値が1.0mg/dl以下になると、
・赤血球の変形
・溶血
・白血球機能の低下
・血小板機能の低下
・筋力低下
・意識障害
・痙攣
・骨形成障害
などが起こる。
■血清リンの上昇
血清リンが5mg/dl以上になることを
高リン血症という。
高リン血症になると以下のような症状がでる。
・血清カルシウムの低下
・低カルシウム血症による、骨形成障害
・低カルシウム血症による、二次性副甲状腺機能亢進症
・血清カルシウム濃度×血清リン濃度=70を越えると
異所性石灰化がおこりやすくなる。
体は、血清のカルシウムとリンの量のバランスを保っている
リンの値が高くなると、カルシウムの量が低くなるのである。
これには、各種のホルモンが関係している。
副甲状腺ホルモンは、特に重要である。