高リン血症
■高リン血症
高リン血症とは、血清リンの値が
5.0mg/dl以上に上昇した場合をいう。
血清リンの正常値は、
2.5~4.5mg/dlである。
■高リン血症の原因
高リン血症の原因としては以下の原因が考えられる。
・リンの摂取過剰
・腎臓からのリンの排泄低下
・骨からの遊離
・細胞内から細胞外への移動
腎臓が正常であれば、血清リンの値が上昇しても、
副甲状腺ホルモンにより、腎臓からの排泄(つまり
尿として排泄のこと)を増加
させるので、高リン血症が続くことはまれである。
たいてい、高リン血症になるのは、高度の腎不全の
場合である。
高度の腎不全で、ほとんど尿がでなくなると、
リンの排泄ができなくなるので、高リン血症となる。
特に透析患者では、尿の排泄ができないので、
高リン血症となる。
また、細胞内には、リンが多く含まれ、細胞が壊れたりすると
血清リンが高くなる。
細胞が壊れるのは、横紋筋融解症などである。
■高リン血症の症状
高リン血症は、血清カルシウムイオンを低下させる。
また、腎臓での活性型ビタミンDの産生を低下させる。
つまり、高リン血症は、血清カルシウムを低下させるので、
血清カルシウムが低下すると、その症状がでる。
高リン血症になり、血清カルシウムが低くなると、
手指のしびれ、くちびるのしびれなどがおこる。
また低カルシウム血症にならず、
血清のカルシウム×血清のリンの値が70を越えると
異所性石灰化を起こしやすくなる。
■高リン血症の治療
高リン血症の治療としては、
リンの吸収をさまたげる、リン吸着薬を飲むか、
血液透析でリンを除去するかである。
腎臓が正常であれば、尿量をふやせば、排泄される
はずである。
腎不全で、透析患者であれば、
透析である程度はリンは除去できるが、
リンの摂取量を控えることも重要である。
リンは、タンパク食に多く含まれるので、低タンパク食
にするなどして、1日のリン摂取量を
600mg以下にしたりするとよい。