高リン血症

高リン血症

高リン血症とは、血清リンの値が

5.0mg/dl以上に上昇した場合をいう。

血清リンの正常値は、

2.5~4.5mg/dlである。


高リン血症の原因

高リン血症の原因としては以下の原因が考えられる。

・リンの摂取過剰
・腎臓からのリンの排泄低下
・骨からの遊離
・細胞内から細胞外への移動

腎臓が正常であれば、血清リンの値が上昇しても、

副甲状腺ホルモンにより、腎臓からの排泄(つまり

尿として排泄のこと)を増加

させるので、高リン血症が続くことはまれである。

たいてい、高リン血症になるのは、高度の腎不全の

場合である。

高度の腎不全で、ほとんど尿がでなくなると、

リンの排泄ができなくなるので、高リン血症となる。

特に透析患者では、尿の排泄ができないので、

高リン血症となる。


また、細胞内には、リンが多く含まれ、細胞が壊れたりすると

血清リンが高くなる。

細胞が壊れるのは、横紋筋融解症などである。


高リン血症の症状

高リン血症は、血清カルシウムイオンを低下させる。

また、腎臓での活性型ビタミンDの産生を低下させる。

つまり、高リン血症は、血清カルシウムを低下させるので、

血清カルシウムが低下すると、その症状がでる。

高リン血症になり、血清カルシウムが低くなると、

手指のしびれ、くちびるのしびれなどがおこる。


また低カルシウム血症にならず、

血清のカルシウム×血清のリンの値が70を越えると

異所性石灰化を起こしやすくなる。


高リン血症の治療

高リン血症の治療としては、

リンの吸収をさまたげる、リン吸着薬を飲むか、

血液透析でリンを除去するかである。

腎臓が正常であれば、尿量をふやせば、排泄される

はずである。

腎不全で、透析患者であれば、

透析である程度はリンは除去できるが、

リンの摂取量を控えることも重要である。

リンは、タンパク食に多く含まれるので、低タンパク食

にするなどして、1日のリン摂取量を

600mg以下にしたりするとよい。



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