葉酸
■葉酸
葉酸とは、ビタミンB群の水溶性ビタミンです。
化学名は、プテロイルグルタミン酸といいます。
葉酸は、細胞のDNA、RNAを作るのに重要なビタミンなので、
細胞増殖に関与します。
そして、胎児の成長に特に重要なビタミンです。
なので、妊娠期や授乳期には、葉酸の必要量が増大します。
■葉酸の生理作用
葉酸は、以下のような生理作用をもつ
・ヌクレオチド類の生合成
・メチル基の転移反応
・アミノ酸、タンパク質の代謝
・メチオニンの生成、代謝
簡単にいうと、
葉酸は、細胞の核酸つまりDNA、RNAを合成するのに
関与し、また正常な赤血球をつくるのにも関与しています。
要は、正常な細胞をつくるのに関与しています。
葉酸は、細胞にとりこまれると、THFという物質に変換される
葉酸→THF
この変換には、ビタミンB12が必要である。
THFは、5,10メチレンTHFとなり、これがDNA合成に
関与する。
結局THFができないとDNAの合成障害が起こる。
すなわち、葉酸が少ないと、DNAの合成障害がおきてしまう
のである。
■葉酸の1日摂取基準
葉酸は、成人で
1日 240ugが摂取基準で
上限が1000ugとなっています。
妊娠中の必要量は、440ugで、
授乳婦は、340ug
の量が必要となっています。
胎児の先天性異常のリスクを減らすためには、
妊娠とわかったらすぐに、440ugの葉酸を
摂取するのが望ましいです。
また、妊娠を予定しているなら、妊娠の前から
400ugの摂取をすることが望ましいです。
通常の食事からでは、平均300ug前後の
葉酸摂取量となっているようです。
■葉酸の欠乏症
通常の食事をしていれば、葉酸が欠乏することは
ほとんどありません。
葉酸が欠乏する恐れがあるのは、
・葉酸に拮抗する薬を飲んだ場合
(抗けいれん薬、経口避妊薬など)
・妊娠中の葉酸必要量が増大した場合があります。
葉酸が欠乏すると以下のような症状があらわれます。
・肌荒れ
・口内炎
・巨赤芽球性貧血
・神経管閉鎖障害(胎児)
・動脈硬化
葉酸が欠乏して、供給が途絶えると、約2~4ヶ月で
貧血となる。
飲酒や喫煙で、血中葉酸値が低下することが知られている
ので、30歳以上で飲酒、喫煙をする人は、動脈硬化を
防ぐ意味でも、毎日300ugの葉酸摂取が望ましい。
葉酸欠乏をもっとも注意するのは、妊娠中である。
妊娠中は、必要量が増えるので、葉酸をちゃんと摂取
することが重要である。
葉酸を毎日400ug摂取することで、胎児の
神経管閉鎖障害を防ぐことができるといわれている。
■葉酸の過剰症
葉酸には、上限がきめられている。
上限は、1日 1000ugである。
葉酸を過剰にとることで、おこる症状としては、
・亜鉛の吸収障害
・葉酸過敏症(発熱、かゆみ、じんましんなど)
がある。
1日 1000ug以上摂取すると、葉酸過敏症が
おこる可能性がある。
■葉酸を多く含む食品
・レバー(50g) 500ug
・菜の花(1/2束) 340ug
・ほうれんそう(1/2束) 210ug
・モロヘイヤ(1/2袋) 125ug
・ブロッコリー(1/2株) 105ug
野菜を日のあたるところにおいておくと
葉酸が分解されていき、3日放置すると
約70%の葉酸が分解されるようです。
食事からの葉酸の生体利用率は、約50%で
サプリメントからの葉酸の生体利用率は焼く85%である
ようです。