巨赤芽球性貧血
■巨赤芽球性貧血
巨赤芽球性貧血とは、赤芽球が正常より大型になり、それによって
赤血球ができなくなり、貧血を示す症状をいう。
赤血球は、骨髄で産生されるが、その赤血球ができる前の段階
つまり赤血球のあかちゃんのような状態が赤芽球である。
その赤芽球が成長すると赤血球になるのだが、その成長過程
が障害された場合、赤血球ができないので、貧血になる。
■巨赤芽球性貧血の原因
巨赤芽球性貧血の原因は、以下のようなものがある。
・ビタミンB12欠乏
・葉酸欠乏
・薬剤によるDNA合成障害
・先天性異常
結局は、赤芽球が成長する過程での赤芽球の増殖障害なのだが、
その増殖障害はなぜ起こるのか?ということである。
これは、DNAの合成異常により起こる。
DNAの合成には、
ビタミンB12と葉酸が必要である。
つまり、ビタミンB12と葉酸が欠乏すると、
細胞増殖の障害をもたらす。
造血組織である、骨髄では赤芽球の細胞増殖障害をもたらし、
赤血球ができなくなる。
たいてい、ビタミンB12の欠乏による場合が多い。
妊娠中は、葉酸の必要量が増加するので、妊娠中は
葉酸欠乏になりやすいので注意が必要である。
■巨赤芽球性貧血の機序
葉酸は、細胞にとりこまれると、THFという物質に変換される
葉酸→THF
この変換には、ビタミンB12が必要である。
THFは、5,10メチレンTHFとなり、これがDNA合成に
関与する。
結局THFができないとDNAの合成障害が起こる。
すなわち、葉酸が少ないか、ビタミンB12が少ないかが
原因となる。
■巨赤芽球性貧血の症状
巨赤芽球性貧血の症状は、基本的に貧血なので、貧血症状
である。
大きく
・貧血症状
・消化器症状(味覚障害、舌の痛み、食欲不振)
がみられる。
・貧血症状とは、
貧血とは、赤血球が少ない、すなわち各組織へ酸素を運ぶ能力
が低下するということなので、以下の症状がでる。
・頭痛、めまい
・全身倦怠感
・耳鳴り
・動悸、息切れ
・脈がはやくなる
などである。
■巨赤芽球性貧血の治療
まず、検査をして原因を確かめてからの治療となる。
巨赤芽球性貧血は、たいていビタミンB12の欠乏による
ものなので、
ビタミンB12剤の投与となる場合が多い
葉酸欠乏では、葉酸を投与する。