心筋シンチグラムとは?
■心筋シンチグラムとは?
心筋シンチグラムとは、放射性同位元素(ラジオアイソトープ)
といわれる放射線を出す物質を投与して、その放射線(ガンマ線)
をシンチカメラというもので検出してそれを画像化し、心臓の
筋肉の虚血状態をみる検査です。
心臓は、心筋という筋肉の塊ですが、この心筋という細胞は
心臓が動くたびにエネルギーを消費していきます。
心臓の表面にある血管は、大きく3本あり、これを冠動脈
といいますが、この冠動脈は、だんだん細く枝分かれしえいき、
心筋細胞に酸素と栄養を与えています。
つまり、この心筋細胞にちゃんと血液がながれていないと
いけません。
細胞が死んでしまうからです。
そして、この心筋細胞にちゃんと血液がながれているか
どうかをしらべるのが、この心筋シンチグラムです。
どうやって調べるのかというと、
まず、タリウムやテクネシウムといわれる放射線をだす
製剤を、静脈から入れます。
静脈とは、人間の血管には、動脈と静脈があるのですが、
心臓に帰ってくるほうの血管を静脈といいます。
これらの物質は、血流にのって、心筋細胞まで届きます。
心筋細胞にその放射線を出す物質があれば、
その細胞へは血液が流れていることになります。
すなわち、心筋細胞から放射させているガンマ線を
検出することで、どこの部分がガンマ線が出ていないかが
わかります。
血流が途絶えている部分、すなわち虚血の部分の心筋には
放射線を出す製剤がとどかないので、ガンマ線がでることは
ありません。
まとめると、
ガンマ線を検出→血流あり
ガンマ線なし→血流なし
ということになります。
そして血流がないということは、
それは狭心症の疑いがあるということです。
なぜなら、心筋細胞へ血液を送るもとの血管は
冠動脈で、その冠動脈が細くなり、血流が
すくなくなるのが、狭心症だからです。
血管が細くなり、それ以降の血流が途絶えることで
その部分の心筋細胞は虚血状態だということに
なるのです。
要するに、心筋シンチグラムは、心筋細胞が
虚血か虚血でないかを調べる検査です。
方法としては、安静時と運動負荷時にシンチカメラで
検出して、安静時の画像と運動負荷時の画像を見比べて
運動負荷時だけ、虚血が現れたのなら、
労作性狭心症が疑われます。
狭心症の場合は、心臓カテーテル検査で、
細くなっている部分は見つからなかったが、
胸の痛みの症状はでるといった人や
心臓カテーテル検査で、
心臓の動きがあまりよくない人に対して、
さらなる検査としてこの心筋シンチグラムを
することがあります。